水菜の気持ち

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水菜の気持ち

炭酸のサイダーを飲みながら二人で乾杯する。 「ジュースだけど…。」 水菜がクスクス笑うのが耳に心地良かった。 「家を出て行けって言われるの2回目ね。」 と水菜が言い、真は慌てて謝る。 水菜はいいの…と言い、続けた。 「ほんとはね?数日で戻るかなって家を出る時は思ってたの。その日の夜にね、沢田さんが契約で雇われたって聞いて、もしかしてすごく好きな人だったのかなと考えたらね。契約とは言っても社長権限でそんな簡単に人を雇ったりはしないでしょ?だから大事な人なのかなって……。真から戻れって言われなかったとして、そしたらエタエモにもいられないし、仕事探さないとってハローワークに行って正社員は直ぐにはなくて、取り敢えずバイトしようと思ったの。」 「早いよ?行動が…。」 水菜が作ってくれた夜食の小さなサンドイッチ口に入れて、真は笑って言った。
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