母心

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母心

翌日、月曜日、朝礼が終わると今川室長に呼ばれた。 「石原さん、社長の朝の確認は倉田さんと佐藤さんにお願いして、月単位の確認をしたいの。ミーティングルームにいいかな?」 「あ、はい。スケジュール帳を取って来ます。直ぐに行きます。」 返事をして秘書室に入った。 机の上に置いてあるメモを一枚取り、走り書きで書いて半分に折り、それを倉田に渡した。 「社長が何か言ったらこれ、渡してくれる?」 「分かりました。」 そこに佐藤が入って来た。 「じゃあ、よろしくね。」 「はい。佐藤さん、行きますよ。」 「あ、はい!」 今年、4月入社の佐藤は研修期間を終えて7月に秘書課に配属されたばかりで、まだまだ緊張の連続な様子だった。 後ろに佐藤の返事を聞きながらドアを閉めて、水菜はミーティングルームに向かった。
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