水菜

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水菜

社長室のドアをノックする。 その手は昨日より軽いと水菜自身、気付いている。 「どうぞ?」 中から返事が聞こえて、静かにドアを開けて一礼して部屋に入った。 「おはようございます。スケジュール確認は終わりましたか?コーヒーをお持ちしました。」 いつもの場所にコーヒーを置きに行き、自らも定位置に立った。 「梨香、何だって?」 「ただのミーティングです。」 画面を見ながら真はちらっと水菜を見るが、変わらない無表情。 「梨香がただのミーティングで朝から水菜だけを呼ぶとは思えないな?俺の悪口が半分だな?」 笑いながら手を止めて水菜を見つめて言う。 「個人的な事ですけど…「宇宙馬鹿」らしいですね?」 淡々と水菜が言うと、飲もうと口を付けたコーヒーを少し吹き出した。
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