腹が立つんだけど。

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腹が立つんだけど。

8月に入り、お盆休みを交代で取る為、休みの人が出始めた。 真は社長として今年は率先してお盆は出勤になっていた。 アメリカ企業の初仕事も決まった事もあり、向こうは休みではない為、暫くに緊急連絡担当も兼ねていた。 「あれ?」 朝から社長のメール確認作業をしていた水菜の手が止まった。 「石原さん、どうかしました?」 お盆始めから休みを申請している倉田はそこまで休みはなく、代わりに佐藤はお盆前に3日、お盆中に2日、8月後半に2日の連休を取る予定でいた為、今日は休みだった。 「メールなんだけどね?全文、英語なの。これってG、forestよね?」 水菜の前のパソコンを倉田も覗いた。 「あぁ、そうですね?ここに、G、forest、これ、社長のお名前でしょうか?」 「社長のメールアドレスに来たって事は社長に直接な用件かしら?窓口は沢田さんよね?」 沢田マリンとはあれから話す機会はなく、一度だけ出勤時に退社する沢田とすれ違っていた。 水菜が珍しく泣いてからは、真は沢田を社長室にも入れず、打ち合わせはフロアのみんなが使える雑談用の机か、沢田のデスク、ミーティングルームを使用していた。
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