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英会話を始める。
二度目の家出から水菜と子供達が戻ると、それまで1日に一度家に顔を出す程度だった真は19時には帰るようにしていた。
子供たちは夕食を終えているが、帰宅してすぐ空と真夏とお風呂に入り、その間に水菜が夕食を準備してくれるので、風呂から出たら空の話を聞きながら夕食を食べる生活に戻っていた。
「でねぇ?お母さんが、英語喋るよって言って、教えてくれたの。」
「おお!お母さん英語話したか。何話した?」
「卵とね、お肉。」
「エッグとミート?」
「うん、でね?」
食事を食べながら真は空の話を聞き、空は遊びながら一生懸命に話していた。
「真夏、寝たよー。」
寝室にご機嫌斜めになった真夏を寝かし付けに行き、水菜が台所に戻る。
「空?おもちゃ片付けて。寝る準備始めようか?」
遅くても眠くなくても8時半には布団に入る様に、水菜はいつも空に言っている。
流行のゲーム機もあるが、子供部屋に持ち込み禁止で、リビングでなければ遊ばない約束が我が家のルールだ。
破ると良い子ではなかったという事で、サンタさんは来ない事になっている。
ちゃんとおもちゃを玩具入れに入れて、本も片付けて空は真の横に近寄る。
「お父さん、ぼくね、おねがいがあるの。」
にっこりと微笑んで言う水菜に似た笑顔の息子のお願いを、聞かないという選択肢はないな…と真は考えながら水菜の方をチラリと気にしていた。
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