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気に入らないんですけど!
その日の夕方、17時に出勤していつもと同じ様にコーヒーを準備してのんびりと飲みながらメールを確認する。G、forestの担当者からの電話連絡を待ち、いつもと同じ様に話をしていたが、次第に沢田はイライラを募らせた。
『だから!そちらの社長とうちの社長が直に話して決めた事だと言っているでしょ!昨日もそれを説明して納得された筈ではないのですか?』
沢田の流暢な英語が、大半の社員が帰宅して数人になったフロアに響いた。
立ち上がり、机をコツコツ叩きながら電話の相手の声に耳を傾けていた。
『何度も言わせないでよ!契約が全て、そうでしょ?契約は無事に終わってるのよ?今になって仕様変更とか有り得ると思います?社長に話をする?窓口は私です。私にも責任があるのです。あなただってそうじゃないんですか?担当者なのに社長にお伺いを聞きながらではないと進められない無能って事ですよね?それでいいのかしら?』
『兎に角、契約の変更なんてあり得ないし、あなたもそこまで言うならそちらの社長にうちの社長に直接連絡して契約内容を変更する様に言って頂いて?契約内容の細かい事は私の一存ではお約束出来ません。それはあなたもお分かりになりますよね?担当者って…名前だけですか?』
くすりと沢田は笑い、
『私に出来るのは窓口業務のみですわ。あなたと同じですわ。連絡係り、そうでしょう?』
と続けた。
電話は直後に切られて、水菜のパソコンにメールが届いていた。
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