気に入らないんですけど!

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「失礼します!真!」 階段を上がりきったと同時に、水菜は一礼もせずツカツカと真の机の前に歩いて行く。 意外な行動に真も驚いて水菜を見た。 「真!パソコンに送ったからメールを見て。日本語訳…これ、パソコンごと持って来たから見て?」 ノーパソを持参して、開いて真の方に画面を向けて置いた。 それを見てから、真は自分のパソコンを操作した。 「どう思う?」 「これ、向こうの担当者からのメールだな。そちらの窓口担当者とは話にならない。信用も信頼も双方にない。スティーブにも説明はして話は通しました。 そちらがそのつもりなら契約は白紙にして頂きたい。損失においては契約通りに進めて頂く様……損失ねぇ。」 真はため息を吐いた。 「どういう事?スティーブから今日のメールはなかったわ。ない日もあるから不思議ではないけど…。これってスティーブがメールに書いて来たすれ違い?」 「だろうな?沢田には幸人と昨日、話をしたんだ。帰る前に8時かな?捕まえてね。契約通りで問題は無い。担当者がごちゃごちゃ言っているだけで、契約変更されるなら契約の意味はないでしょうと言われた。確かにその為の契約だしな?」 パソコンを操作しながら、画面を見ながらカチ、カチッと音をさせていた。 「ねぇ、確かに契約は大事よ?でもサードの時みたいに契約を交わした後で変更もあるでしょう?これから少なくても5年、長く使うシステムを導入する訳だし納得のいく物を導入したい筈よ。それを相手の意見も聞かずに契約したからそれでいいでしょって進めるの?」 水菜が詰め寄ると真は大きくため息を吐いた。
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