気に入らないんですけど!

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「どういう事!!G、forestの担当者と連絡がつかなくて、何度も電話してやっと通じたら、私とは話せないって言うから理由を聞いたら、石原という人に窓口変更をお願いしたって言われたわ。真!どういう事よ?昨日は普通だったのに出勤したら窓口変更て…おかしいでしょ?大体、彼女に何が分かるの?外国に行った事もない、英語も話せない。大学も出てないんでしょ?子供だけ産んで真の妻だって大きな顔してる女に…何が出来るのよ!気に入らないのよ!!」 夕方に出勤して、G、forestの担当者から話す事はない、担当者は変更してもらった…と言われて電話を切られた沢田は社長室に乗り込み、興奮してそう話した。 「気に入らない?それはG、forestの担当者が沢田に言いたい言葉だろうね?」 冷たく真が話して、通話を押した。 「ピーピー」 『はい。』 「水菜と幸人に社長室に来る様に伝えて。」 『分かりました。』 会話を聞いていた沢田は真に怪訝な顔を向ける。 「……石原さんはもう退社している時間ですよね?お子さん、15時にはお迎えでしょう?」 パソコンを操作しながら、真はチラッと沢田を見る。 「今はお盆休みなんだ。子供も休みでね。会社に一緒に連れて来てる。今はミーティングルームで遊んでるよ。人も少ないからミーティングルームも使わないしね。日本にはお盆っていうのがあるんだよ?マリンは半年も勤めてないから知らないかな?外国を良く知っていて適任だと考えたけど、相手は日本企業だからうちを選んだ。そういう意味では日本人の水菜が適任だったよ。俺は本当に馬鹿だね?英語だから英語のできる人間…そこじゃなかった。」 「……真?何を言ってるの?」 「マリン、言葉が通じ合ってても、心が通じてなかったら意味がないんだよ?」 真の言葉に分からない顔を沢田が向けると、幸人と水菜が社長室をノックして入って来た。
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