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秘書ですから。
「失礼致しました。お客様とは気付きませんで…。」
落としたコーヒーカップを回収して部屋から出て行こうとする。
「水菜!違う!これは間違いだ!寝惚けてたんだ!」
大きな声で言うと逆に注意される。
「ここは会社です。お客様は?」
客の確認を先にされた。
(俺の言い訳はどうでもいいのか?)
と考えていると客は真の横に座った。
「マリンよ?覚えてるでしょ?帰国したの。」
「失礼ですが社長のお客様で?」
「違う!知らない!」
マリンは真に手を掛けながら、艶めかしく寄り添い言う。
「知らない事ないでしょ?最後に会ったのは随分前だけど、この上にあるお部屋に泊まった事もあるのに…ひどいのね?泊めて貰おうと思って来たの。帰国してホテルは寂しいでしょ?今もセフレ多いの?私一人で良くない?」
「社長。赤い物が付いております。」
冷静な水菜の言葉に、真は思わず袖で口を拭いた。
「てか!どうやって入った!!」
声を荒げてマリンに向かい言う。
「パスくれたわよ?ていうかぁ…昔の名刺見せたの。自由に入れる様にしてくれてたでしょ?これ見せたらパスくれたわ。ちょうど帰る人いたから、まぁ、なくても入れるけどね?」
「そんな古い物を信じていいのか?うちの警備はどうなってるんだ!」
真が怒る間にもマリンなる金髪美女は髪を触りながら真の頬にキスをした。
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