出会い

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車に乗り込み後部座席に座ったタケルは、座るなり自分の部屋の様にくつろぎだした。 「俺、パスタ食べたいからイタリアンの店に行って」 「はい」 本当に態度がデカイ。 「あっ、それと、敬語使われんの嫌いだからタメ口でいいよ。俺もあんたのこと芹架って呼ぶし、今日からタケルでいいから」 「わ・・判りました」 悪気がある訳じゃないんだろうけど、何となくシャクにさわる。 「お店、何処でもいい?」 (えっ、寝てるし…) バックミラー越しにタケルの寝顔を見たけど、やっぱりまだ、あどけない顔をしてる。 起こすのも可愛そうだと思い、そのまま取材場所まで行くことにした。 「タケル、着いたよ」 「えっ?ここ何処?店じゃないよね?」 こんな親切心が、あだになるとは思わなかった。 「俺、パスタ食べたいって言ったよね?」 「うん。でも、気持ち良さそうに寝てたし起こすの可愛そうだと思って」 明らかに不機嫌になった。 「言われたこと、ちゃんとやってよ。使えねぇーな」 「ごめんなさい」 タケルは、私を睨み付けて、サッサとビルの中に入って行った。 (何でこんなことで、睨まれなくちゃいけないの) 現場に入って驚いた。 普段、一緒にいる私達の前で取る態度とまったく違う態度だった。
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