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カミサマはあきらめた!⑦
「おお…(´;ω;`)ハゲ散らかされた無毛の心が洗われていく…」
「我々の不毛の頭皮は…(´;ω;`)宇宙の絶対的な摂理…」
「ハゲこそが宇宙の真理…(´;ω;`)ハゲこそがユートピア…」
「宇宙はハゲと半分の優しさで出来ている(´;ω;`)…おおお!!!」
人として絶望的にハゲあがった三人の宗教家とトラック野郎の元締めは、感激して神にひれ伏し牧師と神父は十字を切り、僧侶は合掌し、そして元締めは白無垢姿で三々九度をした。
「「「ハゲたバカたちが、どんどん聖光で浄化されていくわ(´・ω・`)……なんだこれ???」」」
感動のあまり、遂にはおいおい号泣しながら抱き合うハゲどもの後姿を引き気味に眺める聖女と尼さんの表情は呆けていた。
この、頭の中身が茹で上がりそうな心が腐る✖温まる光景〇を瞼に収めた神様は、皆の姿を見回したあとハゲたちのうちの一人の人物に声をかけた。
ところで三田くん。
「ハイ、三田九郎っス」
ボン!
「「「三田さん!?」」」
女性陣が驚き声を上げる中、手品で使ってそうな白い煙を上げて三田さんは本来の姿、つまりおなじみの赤い暖かそうな冬服。と呼ぶには、割と派手な衣装を身にまとったクリスマスといったらお馴染みの白髭もっさりな、世界で一番有名な真っ赤かな老人が立っていた。
「「「だからサンタクロースで有名なフィンランドの言葉をしゃべったり、運送屋をやってるとか言っていたのね…」」」
三人の淑女は、なにやら三田さんのこれまでの言動に妙に納得していた。
さてサンタクロースくん。なんで君まで混ざって暴れてたの?わたしはあなたに此の者達に冷静さを取り戻させる為にここに送り込んだと思ってたんだけど、違ってたっけ?
「ハゲがわたくしの理性を狂わせました。申し訳ございません」
モフモフ感全開の帽子を取ったサンタクロース。三田さんは首を深く垂れて頭頂部を中心とした円形肌色のハゲの禿たる証拠を神様に見せ、所在なさげに立ち尽くした。
「サンタクロースの赤い帽子ってハゲ隠しだったんだ…」
「道理で子供のいる部屋に入っても脱がないわけですね…」
「それよりもあたしは、人んちに断りもなく夜中こっそり侵入してきて、あまつさえ小さな子の枕元に不敵に微笑みながら立つとか…。よく考えたら完全に異常者、犯罪者の所業。逮捕されて起訴されたら間違いなく実刑の輩ですよ。言い訳なんか通用しません。その存在が害悪なんです!」
(´・ω・`)(´・ω・`)〈尼ちゃん、サンタクロースになんか恨みでもあるん?
(-_-;)〈ミンナ クリスマス プレゼントガ 柿ピーニナレバイインダ…
困った顔をした二人の修道女の感想を余所に、尼さんが個人的な意見を述べるように、云われてみればそんな異常性愛者に『ほらプレゼントだよ♪』って言われても、サンタクロースというネーム・バリューが無ければ素直に喜べないどころか怖くて可愛らしいショタやロリは泣き叫び、母親は髪を振り乱して我が子を抱えポリスメンにTELすることだろう。
つまり、即通報、即時逮捕案件の完成である。
まあ宣伝の力って常識を簡単に覆すよね。でもそれは、とある聖人から派生した二次創作物のサンタさんの罪ではないし、もちろん宗教に限った話でもないのだけれど…。
ハゲの力は宇宙その物の力ですからね、致し方ありません。今回のことは不問に付すことといたします。こんどからは注意して役目を果たすよう、お願いしますよ?
「はい。務めさせていただきます」
わかれば宜しいのです。
うんうん。
頷かれた神様は、すっと辺りを見渡してから。
では参りましょうか。道理に迷っていた子羊たちは、みな、正しき道に立ち戻ったようです。
左様に言い残し、手下であるサンタクロースと宇宙人たちを引き連れ、神父に牧師、そして坊主に戻ったハゲ三銃士が片膝立ちで首を垂れ見守るなか、何処かへと去って行かれた。
さてさて、私もゴタゴタも終わりそうなので、我らが宗派のお経を詠唱することで締め括ると致しましょうか。
金色の法衣を身にまとい、自らをブッタだと名乗った坊さんはおもむろに木魚を取り出した。
ポクポクポクポク♪(以下、般若心経のリズムで御唱和くださいm(__)m)
破化ー♪破化ー♪破化恥羅師ー♪あっそーれ♪破化恥羅師ー♪破化宗ー♪ギャッツビー⤴♪盆尻喰いたいー♪破化咤羅珍妙ーー……♪。
股間に装備しておいた御鈴を珍ーーーん♪
破化宗 経典【破化咤羅珍妙】
こうして仏も荷物を包んだ大きな唐草模様の風呂敷を背負い、神やサンタクロース(三田さん)と宇宙人の面々が去った方向に足早に去っていきました。
「それにしても神様って本当にいたのですね」
「仏さまもいたのですね」
スゴイネ!(´・ω・)(・ω・)(・ω・`)ネー
神に仕えることを誓っていた癖に、実は神や仏が本当に存在しているのか内心では疑っていたことをサラリと暴露した。
「んん?」
「あら、どうかしましたか尼さま?」
「モノホンの奇跡を見てこう( ゚Д゚)!?ビックリなされたんですのね」
なにかしら、神と仏が現れてからの状況にどことなく違和感を感じた尼さんは、首を左右に振りながら金髪さんと亜麻色髪さんの二人の修道女に顔を向けて口を開いた。
「いえ、結局あの人たち…。あのえっと、神様も仏さまも何のかんのと云いながらハゲ頭の腐れ外道たちに毛を生やす天地創造的な作業も、御利益のある法力も施すこともなく放ったらかしてサラッと帰っちゃいましたよね?」
「ええ、まあ…」
「言われてみれば、そうですね…なぜなんでしょう?」
尼さんの言葉に修道女たちはそう言えばそうですねと頭をひねる。
「神様とやらは、発毛の件については諦めたんですかね?」
ビキビキ(#^ω^)《ソレニナニ アノ読経 仏ノ癖二仏さま舐メテンノ?滅却シテヤロウカ?小林寺拳法駆使シテ違う意味ノ“ホトケ”サンニシテヤロウカ?アン!」
元来が短気なたちなのだろう。尼さんはこめかみに血管を浮きだたせながら、場を凍らせる決定的な言葉を吐き捨てるように言い放ってから、こう付け足した。
「ところであの糞忌々しい仏さま。なんか大きな風呂敷包みを抱えて去っていったんですけど、あれ、いったいなにが詰まってたんでしょうね?」
( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)〈ハッ!?
「神父様!奥にしまってあった銀食器一式なくなってます!!」
「ねえ金髪さん!祭壇の中にしまってあった金無垢のキリスト像知らない?」
「見て神父さん!金庫開けられちゃってますよ?!」
「牧師さんマジで!あ~~~~~!!中身がない!!」
「金髪さん!なんかお二人の財布らしきものがゴミ箱に突っ込まれてますけど?!」
「ふぁい?!いやぁ~~~!!めっちゃ財布薄っぺらくなってるぅ~~~!!」
「ねえそれ、もしかして俺たちの財布も入ってない?!」
( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)(=゚ω゚=)〈nya!?
続々と寄せられる神父と金髪修道女の運営する教会の盗難被害報告に、自分達までまきこまれていることに気付かされた残りの四人は、さっき現れた神仏に三田(サンタクロース)+宇宙人に合唱団が、教会の金品を以前から狙っていたクリスマスコスプレ盗賊団だったことを全力で把握した。
絶望した彼ら全員は教会の祭壇に駆けよって手を合わせ一斉に懇願した。
「「「「「「神様たすけて!!!」」」」」」
仏教徒、ナニいってんだ。
それはさておき、神様からの返事は特になかった。
そして皆は天に向かった叫んだ。
「「「「「「カミサマは(僕たち!あたしたち!を救うのを)あきらめた!!!!!!」」」」」」
実は神様から返事がないのには理由があった。
なぜなら、神様はクリスマス休暇中だったからである。
…て言うか、安息日の七日目の日めくりカレンダー(天地創造前に暇だから作った。そして作ったら飽きた)をめくらずに、今も毎日楽しく休日を満喫中なのである。
…としておこう、と、この作品を作成した作者(このコメディの創造主)は思ったのだった。
おわり♪
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