俺様外科医の溺愛包囲網【コミカライズ配信中】

Case1.

「月曜の朝から憂鬱」

独り言のようにぼやいた後、日比谷先生のスケジュールを確認すると、今日は朝から外来の担当のようだった。そうなれば昼までここには帰ってこない。

つまり、外来に行って先生に書類を書いてもらわないといけない。

「はぁー……」

なんてこった。だいたい先生はいつもいつも、書類関係を後回しにしすぎなんだ。

レセプトだって毎回病棟のクラークさんに催促されているし。

他の先生たちは加野先生に重々言われているせいか、ちゃんと締め切りを守っている。加野先生が強く言えないからって、自由すぎだろう。これだからボンボンの医者は。

散々心の中で愚痴ってから『承知いたしました』とメールを返信した。

重たい体を奮い立たせ外来に向かうと、月曜日ということもありそこは人で溢れ返っていた。

日比谷院長が一代で築きあげたこの病院は、二千という有床数を持っている。そんな経営者として、医師として有能な院長にオペをしてもらいたいと、全国から人が集まる。メディアに取り上げられることもしばしば。

二人いる息子も医師で、しかもいい男となればそうなるのも必然かもしれない。

まぁ平凡で一社員にすぎない私には、雲の上のような話だが。