「AshSKY」―キタナイソラ―

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「AshSKY」―キタナイソラ―

  喉がイタイ 灰色の空気吸い込まされ  胸がイタイ “キタナイ”空眺めて むかしから空はあんな色してたっけ 雲が浮かんだ曇り空も晴天も 灰色がかって見える 記憶の中の空の色は もっと綺麗な水色だったはずなのに 変わってしまったのかな この街は あの空は何処へいった あの空は ま・ぼ・ろ・し??  街が褐色の幕に覆われた日  みんなケータイを掲げた “キタナイ空”に向けて 今日はセカイの終焉? 呟かれる終末論  でも終わらなかった “キタナイ風”が去った後 “キタナイ空”と日常が戻ってきた 世界はまだ続くらしい・・・ “キタナイ空”が見えるこの星も 宇宙から見ればまだ青い  だから“ダイジョウブ?”   星は答えない 進化を繰り返し 天気と時間以外はほとんど操れるようになった人間は 自然さえ思いのままに操れるようになると驕りつつある 母体であるこの星を支配して 山や海や大地を破壊して 自分好みの形に造り換え 宇宙から見ればこの星はまだ青い  だから“ダイジョウブ?”   星は何も言わない その間にも制限なく増えていく道路や橋  競い合うように高くなっていく建造物   人間の都合で擦り減らされていくエネルギー資源 今や音の速さで空を飛ぶことも 車がしゃべることも当たり前になり それでも貪欲な人間は 尚進化を求め続ける  抉ラレ・・・  抉ラレ・・・  痛メ付ケラレテイク・・・星   『イタイ』と  星は言わない でも――  まだ青いから“ダイジョウブ?”   星は答えない  わかるのは 此処に居るものは皆 運命共同体だということだけ 嗚呼 今宵は 月が紅い 月が紅い それは神秘的で美しかった 実はコワイ 実はコワイ その理由は汚れた大気の色だった
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