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前は一緒に暮らしてるのに、滅多に会うことのないパパだった。朝早くに会社に行くから朝も会わない、俺が寝た後に帰ってくるから夜も会わない。
土日も仕事が多いし、そもそもパパが休みでも俺が塾に通ったりで、パパの顔を見るのは週に1度程度だろう。
『これからは毎朝一緒にご飯を食べよう』
そんなの、どうでもいい。
『そうだ、学校から帰ったらキャッチボールでもしようか?』
塾があるんだって。そう言いたいけど、その塾にも通えなくなってしまった。だからって、小学5年生にもなって父親とキャッチボールなんて……。
なにより、友達と離れるのが嫌だった。
『すぐに新しい友達ができるよ』
パパは嘘つきだ。
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