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…ずるい。
泣き顔を見てまでそんなこと言えるのか。
強くなんかない。僕は。
だから、きみが居ないと駄目なんだよ…!
僕が顔を覆うと、「彼」は僕の頭を撫でながら苦笑した。
『んー、困ったなあ。じゃあ…そんなに俺が恋しいなら、ここまでおいでよ、颯馬』
え?
僕は、顔を覆った手の間から「彼」を覗き見る。薄暗い部屋が、ほんの少しだけ更に暗く感じた。
『したい事は今日中に終わらせて、今日で終わりにするんだよ』
それって、何を終わりにするの…?
尋ねると、「彼」は僕の耳に囁いた。
『人生だよ』
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