メイクの田中日記

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メイクの田中日記

メイク室にて 「今日、白河さんの撮影ですよね~」 「そうね、餅月(もちづき)。で…このドーナツはなに?」 「あ、萩原が置いていきましたよ~」 「餅月、あんた食べたわね…?」 「や…まさか!田中さんより先になんて…ねぇ旭川(あさひかわ)さん!」 「はぁ…そうですね…」 「餅月…!旭川さん困ってるじゃない!」 旭川さんは、スタイリスト。うちの会社は女の子が多いから、旭川さんは男性でイケメン枠。なので、つい絡みたくなるという。 「すみません!うっかり食べました…!あ…」 「やっぱりね~」 「いや、違うんです!萩原が唆したんですよ!」 「へぇ~?」 そのとき、ドアが開いた。 「お疲れ様です」 「あら、白河さんいらっしゃい」 「なんかおいしそうなものがありますね」 「あ、これ?萩原が持ってきたらしいわよ?食べる?」 「ありがたく。食べますね」 「た、田中さん!いいんですか?田中さんも食べたいんですよね?」 「私そんなに食いしん坊じゃないから」 「大人ですね~」 「餅月は子供ね」 「ごちそうさまでした」 「え~!?白河さん!全部、食べたんですね!?」 「餅月…あんたまだ食べたかったわけ?」 「ち、違いますよ~」 「すみません…ありがとうございました」 白河さんは…モデルなのによく食べるな。しかもかなりマイペースすぎ。 しかもやせてるし…! ずるいなぁ…。 あれ、メイクしてないのに出て行ったけど!?
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