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さおりとのこと
「準也。遅刻するなって言ってるでしょ」
社長室に入ると、すぐに怒られた。でも、気にしない!
「社長、ちょっと相談なんですけど」
「私の話を聞きなさいよ」
「パパラッチの友達とはさー、普通に友達になりたいわけ。で、さおりと付き合ってるって公表したい!」
「は?」
社長はもっと怒ったような気がしたけど、気にしない!
「社長、スキャンダルのたびにさおりに怒られちゃうの嫌なんだよ。それに結婚したい!」
「…で?どうしたいわけ?」
社長はソファーに偉そうに座ってる。でも、今度は怒ってないみたい。
「どうしたらいいのー?」
「プランなしなの。…全く。私がなんとかしてあげようか?白河は私の事務所の看板娘なんですから、ちゃんと責任取ってよね?」
さっすが頭のいい社長。物わかりいいなー
責任っていうのはつまり、結婚しろよってことでしょう?
「社長、どうするの?」
「私をなめんじゃないわよ?」
わー、怖い。
「準也、私の言う通りに動くのよ?いいわね?」
「はい、言うこと聞きます」
「よろしい。私に任せなさい」
「はい」
ということでー、計画スタート。
「あ、さおり?元気?」
「なに?」
さおりは電話でいつもそっけない。うーん、ちょっと悲しいな。
「明日は仕事?」
「ううん。休みだけど?」
「…おじさんも?」
「は?おじさん?」
「さおりのカメラマンだよ?」
「は?長山さんのこと?」
「うん、明人おじさん。カメラの調整とかに行くかな?」
おじさんに迷惑かけちゃまずいからね。
「いや、ちょっと、なに?あんたそんなに仲良くなったの?長山さんと」
「へ?おじさんは…あー、ま、いっか!あのね、長山さん、明人おじさんは俺の親戚だよー」
「はぁ!?嘘」
「ほんとー。おじさんには言うなって言われてたけど、いっか!」
「なにそれ、え」
「写真集の撮影とか沖縄とかでやったとき俺も手伝ったりしたでしょー?おじさんに頼まれてね」
「おじさんって、まじなの?ハゲてるけど準也もハゲんの?」
「えー、いやだー」
「で、なんの用事?」
「あ、そうそう。明日東京に行くから!楽しみにしてて!」
「急すぎ」
「ふっふー!ドキドキするー!」
「なにそのテンション」
そのさおりの低ーいテンションを、マックスまであげてやる。
最高のサプライズでね。
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