その後の話

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社長に報告してから、わりと早く式をすることになった。ハワイの式場で。 私は家族のみ招待。準也は親戚とお仕事関係の人。 「わぁー!さおり、ばっちりー!」 ウエディングドレスは当日初めて着たけど… 試着してないのにぴったりだ! 「キレイデス!」 たどたどしい日本語を話す、かっちょいいモデルさんっぽい人にメイクからなにからなにまでしてもらった。 「ねーさおり!この人ねーさおりのとこのメイクさんの旦那さんなんだよ」 「誰の?」 「えー、名前なんだっけ?」 準也は英語で話しかける。 「フミちゃん!」 「えー誰それ?」 「あれ?さおり、知らないの?」 「うん」 「田中さんですよ」 突如部屋へと入ってきたのは 「え、え?翼さん?」 「おめでとうございます。準也に呼ばれて参りました」 「え?」 今、準也って呼んでなかった? 「ふふーん!翼はカメラ教えてくれた人ですー」 馴れ馴れしく準也は美空翼の肩を組む。 「え、…はぁ?」 頭がついていかない…わけがわからない! 「ねージャムはー?仕事?」 「はい。そうですよ」 「私、わからない」 「さおりはジャムと事務所同じでしょ?」 「なんで翼さん?なんの会話?なんなの?」 大パニックになってしまった。 「だーかーらー」 「準也には説明はできそうにないですね。私は昔NYで働いていたんです。そのとき準也にカメラを教えていました。ジャムは娘ですよ」 「ええー!な、なに?わからない!」 頭を抱えるしかない。どういうこと? 「さおりーしっかりー」 私だけ知らなかったのだろうか?いやみんな知らないでしょ? 「で、その田中さんはなんなんです?」 「あぁ、それはここにいるミナキが田中さんの旦那なんですよ」 「え?ミナキ…って、ものすごーく有名なモデル?」 「そーだよさおり」 再びメイクをしてくれた、彼を振り向いて見る。 「なんで田中さん?」 「個人の趣味ですから」 「いやいや!そうじゃなくて!わかんない!翼さんとジャムちゃん!?え?」 説明を受けてもまるで理解できない! 「さおりーそろそろ行こうか?」 「ちょっとー!私を混乱させないでよ!」
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