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社長室に入ると美空翼が既にいた。
「長山、お疲れ様。二次会とかいろいろあったんでしょ?」
社長は相変わらず情報通だ。
「ええ、そうです」
「賑やかなの好きよね~。あんたの親戚元気よね」
「はい」
「長山さんは白河さんの親戚になったんですね。こんなにもおかしなことはないですよ」
「…そうですか」
美空翼は生意気なことを言う。性格が悪い。
「長山は白河の仕事なくなったから、かなーり仕事量減るわね。その分瀬川には頑張ってもらうけど」
「はい」
瀬川は女優しながらモデルをしてるベテランだ。あまりモデルの仕事は今はできない。
「美空も仕事するのよ。奄美にはしばらく返さないから」
「妻が悲しみます。家庭菜園の世話もあるので」
「美空が仕事早く終わらせればいい話よ。それと長山」
「はい」
「準也の撮影は手伝わないこと。一人でやらせるのよ?甘やかさないで」
きっと準也はモデルの仕事もたくさん受けてるのにカメラマンの仕事も増やされるのだろう。
呑気な準也が心配だか、決して要領が悪い子ではない。白河くんよりもしっかりしてるのは、妹に似ているからだろうか。
あの子は責任感はある。
「わかりました」
「そういうことで、仕事ちゃんとしてよね。あ、そうそう。春川呼んだから」
「…春川さんをなぜ」
「さぼりの小暮とさぼり同士で働かせるためよー。春川は後で呼び出して~働かないなら辞めさせるって言うから」
…脅しだ。
「また誰かモデルでも雇おうかしら?いい子いたらスカウトしていいわよ」
「ではまた藤原くんにでもやらせましょう」
藤原くんはいつだって美空翼のパシリだ。彼はなかなかに仕事はできるのに…もったいない。
「ま、そこはお任せする。オーディションもいいけどー私そんな暇じゃないのよね」
「そうですか。長山さんもスカウトしたいですか?あ、ストーカーと間違われてしまいそうですね」
この美空翼ときたら、いつでもこの調子だ。飽きないのか…。
萩原くんとまるで同じような感じではないか。
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