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パーティ
私が沖縄に帰ってきたからということで、準也がパーティをすると言い出した。なので、勝手にさせてあげることにした。
沖縄のモデルさんとか知り合いを呼んでの、小規模のだけど。料理は私と雪さんで担当した。
「ねぇ、美月くん。豚足好き?」
「え、ええと」
こいつも食えないと。
「わーい、美月くんいい顔してるー」
準也は食べないで写真を撮りまくりだ。記者じゃないんだから。
「ちょっと、準也ご飯食べてよね?」
「えーどれも食べる気しないよー」
「なにそれ」
「写真撮ってるからいいんだー気にしないでーさおり」
「食べたくないから写真撮ってんの?」
「わーさおり怒った顔もいいなー」
「カメラどけなさい。雪さんもせっかく作ってくれたのに、それってひどくない?」
「だってー」
あー、カメラ持ったまま逃げた!
くっそー。
沖縄のメンツはばくばくと食べてくれたけど、かなり多く作ったので余るほどだ。
「雪さん、美月くんはいつもなに食べてるんですか?」
「ゴーヤーチャンプルー。ジュースは吐くとか言いながらもおかずだったら食えるとか言うわけよ。うざいでしょ」
「へー。そうなんだ-」
「さおちゃんの旦那は外人気取りだからどうなの?米食べるの?」
「普通に食べる。でもーゴーヤも豚足も食べようともしないしなー。やっぱ無理矢理与えてみようかな」
「見た目で避けてるパターンかもしんないしね」
「そうですよね。食べたらいけるとかあるかもだしー」
意地でも食べさせてやる。
俺、準也はパーティが終わってから仕事があるのでNYへと旅立つ。
愛しのさおり、しばらくさようなら。
到着後、旅行カバンを開けてみたところ、謎のタッパーが入っていた。
開けてみると、これは見たことある…
豚足?
いつの間にさおりは準備したんだろう。
とりあえずメールでさおりに聞いてみようと思ったが、先にさおりからメールが届いていた。
「モデルのみんなにも分けてあげてね。もちろん準也も食べなさい」
えー無理。この見た目も臭いも。
どうしよう。モデルのみんなにあげにくいもんなー
あ!あげやすい人思いついた!
ちょうど仕事だったので、早速モデル事務所へと持っていった。
「はい、トムにだけお土産」
「なんですか?これ?」
「うーん、沖縄の伝統料理かな?さおりが作ったよ」
「手作りということですか?」
「うん。トムにって」
「なんでトムに?」
「知らないけど」
トムは、準也からなにか得体のしれない食べ物をもらったのですが。
準也がわざわざお土産をくれることはないので、うっかりもらってしまいました。
さっそく家で食べることに。ちょうど正夫も来てるし、ナイスです。
「うわ、トムそれなんだよ」
「準也からです」
「ちょっとトム、それおばあちゃんに近づけないでちょうだい」
「そんなに言わなくてもいいじゃないですか」
早速食べてみることに。
うん、なかなかにうまいです。
「正夫もどうぞ」
「いらねーよ!なんかグロいよ!」
そんなどん引きしなくてもいいじゃないですか!ひどいです。
しかもこれ、食べた後なんとなく肌が潤うというか。素晴らしいです。
これはなんという食べ物なんですか?
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