パーティ

1/1
前へ
/32ページ
次へ

パーティ

私が沖縄に帰ってきたからということで、準也がパーティをすると言い出した。なので、勝手にさせてあげることにした。 沖縄のモデルさんとか知り合いを呼んでの、小規模のだけど。料理は私と雪さんで担当した。 「ねぇ、美月くん。豚足好き?」 「え、ええと」 こいつも食えないと。 「わーい、美月くんいい顔してるー」 準也は食べないで写真を撮りまくりだ。記者じゃないんだから。 「ちょっと、準也ご飯食べてよね?」 「えーどれも食べる気しないよー」 「なにそれ」 「写真撮ってるからいいんだー気にしないでーさおり」 「食べたくないから写真撮ってんの?」 「わーさおり怒った顔もいいなー」 「カメラどけなさい。雪さんもせっかく作ってくれたのに、それってひどくない?」 「だってー」 あー、カメラ持ったまま逃げた! くっそー。 沖縄のメンツはばくばくと食べてくれたけど、かなり多く作ったので余るほどだ。 「雪さん、美月くんはいつもなに食べてるんですか?」 「ゴーヤーチャンプルー。ジュースは吐くとか言いながらもおかずだったら食えるとか言うわけよ。うざいでしょ」 「へー。そうなんだ-」 「さおちゃんの旦那は外人気取りだからどうなの?米食べるの?」 「普通に食べる。でもーゴーヤも豚足も食べようともしないしなー。やっぱ無理矢理与えてみようかな」 「見た目で避けてるパターンかもしんないしね」 「そうですよね。食べたらいけるとかあるかもだしー」 意地でも食べさせてやる。 俺、準也はパーティが終わってから仕事があるのでNYへと旅立つ。 愛しのさおり、しばらくさようなら。 到着後、旅行カバンを開けてみたところ、謎のタッパーが入っていた。 開けてみると、これは見たことある… 豚足? いつの間にさおりは準備したんだろう。 とりあえずメールでさおりに聞いてみようと思ったが、先にさおりからメールが届いていた。 「モデルのみんなにも分けてあげてね。もちろん準也も食べなさい」 えー無理。この見た目も臭いも。 どうしよう。モデルのみんなにあげにくいもんなー あ!あげやすい人思いついた! ちょうど仕事だったので、早速モデル事務所へと持っていった。 「はい、トムにだけお土産」 「なんですか?これ?」 「うーん、沖縄の伝統料理かな?さおりが作ったよ」 「手作りということですか?」 「うん。トムにって」 「なんでトムに?」 「知らないけど」 トムは、準也からなにか得体のしれない食べ物をもらったのですが。 準也がわざわざお土産をくれることはないので、うっかりもらってしまいました。 さっそく家で食べることに。ちょうど正夫も来てるし、ナイスです。 「うわ、トムそれなんだよ」 「準也からです」 「ちょっとトム、それおばあちゃんに近づけないでちょうだい」 「そんなに言わなくてもいいじゃないですか」 早速食べてみることに。 うん、なかなかにうまいです。 「正夫もどうぞ」 「いらねーよ!なんかグロいよ!」 そんなどん引きしなくてもいいじゃないですか!ひどいです。 しかもこれ、食べた後なんとなく肌が潤うというか。素晴らしいです。 これはなんという食べ物なんですか?
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加