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帰ってきたよ
「んん」
さおりの口にまとわりつくようにキス。
息もできないくらい。
帰ってきたら、なんと出迎えてくれたから、ついね。
「ただいま、さおり」
「はぁ、」
口を離すとさおりからは声が漏れる。息切れ?
さおりから離れて、構わず部屋をうろつく。
「いやぁ、久しぶりーなこの部屋。さおりはよく来てるー?」
「…」
あ、あれ?返事がない。
やりすぎたかな?
「もう!苦しーよ!」
「ごめーん!」
遅れる反応。さおりかわいいーな。
「さおりは休みもらってきてくれたのー?俺はーお仕事だから~」
「準也、窓開けたり換気したんですけど」
「あ、そーなの?ありがと!」
「しかも有休ですけど」
「そーなの?俺はお仕事ー」
「ふーん」
さおりはソファーに寝転がった。
「仕事のために来たんだ~ふーん」
「えー?さおりも撮影おいでよ」
「そうじゃない!」
「あ、わかったー!デートだ!デートしたいんだ!」
「そーじゃない!」
「じゃあなにー?」
さおりを覗き込む。怒った顔もかわいいなぁ。
「うるさいな」
「じゃあー、手でも握っちゃおっかな?」
「…そうじゃないよ」
「OH!ハグだ!そーだそーだ!」
さおりにハグしようとしたら、さおりからしがみついてきた。
「なんでキスしたの?いきなり」
「んー、さおりがかわいくてつい?ハグするのを忘れちゃうくらい?」
「は?なにそれ?」
「だってさおりがかわいいからしょうがないじゃん、ね?」
「準也、顔しか触ってくれなかった」
「ごめんね、よしよし。なでなでしてあげよう」
「うん」
「よしよし。じゃ、今日の撮影は昼から行こっかな」
「え、美月くん可哀想だよ?待ってるかも」
「さおりのことが心配だし。このままぎゅーっとしとこーね?」
「…うん」
さおり寂しがりやだからね。
結婚したら一緒にいられるのにね…いや、どうかな?俺はモデル辞めたくないしなー。そんな簡単には辞められないもんなぁ。だってさおりは売れっ子ちゃんだもんね。
「…準也、なんで静かになってるの?眠い?」
「いや?考えごと?」
「うっそ、なにも考えてなさそーなのに」
「まぁ、ちゃんとは考えてないけどね?」
「なにそれー」
あー、さおりとの時間がもっと欲しいなぁ。
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