第5章

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「おじいちゃん!」 「おお、待っとったぞ! 花音! 居間に行くと、おじいちゃんは満面に笑みで手招きしながら言った。 「おや! 大垣のところの若造と一緒に来るとは……名前を聞いたとき、もしやとは思ったんじゃが……ほお~」 おじいちゃんが驚いたようなに目を丸くしたが、それでいて、もう分かっているような表情をした。 「ご無沙汰しております。その後、お変わりありませんか!」 「元気なもんじゃ! それで今日は何の用で来たんじゃ?」 おじいちゃんは目を輝かせて聞いてきた。古城の口から聞きたいようだ。 「結婚の報告に参りました」 「結婚~!?」 おじいちゃんが眉をしかめた。 「はい」 古城が静かに答える。 「花音とか?」 おじいちゃんは考え込んだように腕を組んだ。花音はおじいちゃんの意外な反応に慌てた。 おじいちゃんなら、手放しで喜んでくれると思ったからだ。 どうしようかと悩んで頭をぐるぐる悩ませていると、先におじいちゃんが話し掛けてきた。 「報告? まずは、許しを得るの間違いではないのか?」 「お許しいただけますか?」 古城はニコっと笑った。 「わしに勝ったらな」 おじいちゃんはフンッと鼻息荒く答えた。 「では、ひと勝負しましょう。何をしましょうか?」 「ふむ。何が良いかのぉ……。やっぱり囲碁かのぉ……」 おじいちゃんは考え込んでいる。花音はハラハラした。古城のことは信じているが、おじいちゃんはとっても囲碁が強いのだ。 「何でも構いませんよ」 古城は余裕の笑みだ。
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