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花音の強い言葉に引きずられる様に、古城の母が立ち上った。
「……ババァ、水……」
古城の母は条件反射なのか、思わず水を持っていこうと体が動いた。それを花音がギュッと手を握って止めた。
「何してんや。早う、水、持ってこい! ……ん? お前、ババァをどこへ連れていくんや」
女が、だるそうにむっくり起き上がった。そのせいでダランと服の前がはだけた。女は気にする素振りもない。
汚らわしくて、花音は思わず目を背けた。
「こら~、待たんか! どこに行くねん! お前、ここにおらなアカンやろ!」
ガラガラ声で花音たちを怒鳴りつけた。
その怒鳴り声に反応するように、花音はキッと女を睨むと言った。
「何を言ってるんですか。お母さんは、おたくと何の関係も無くなったんですよ。ほら、しっかりと目を開けて、これを見て下さい」
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