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最終話
「うわっ雨ひどっ」
ザーザー雨は結局止まず放課後
っ…
なんでだろ…明日会えるのに…
離れたくない
「帰るか…」
「まって!」
「どした?」
「あ…えと…ごめ…」
「なんかあんだろ?」
「っ…」
ふと気がついた
あれ?…翔…
「か、傘は?」
「ばれた?朝、母さんに送ってもらって、そのまま車の中 」
「へー」
ん?
こいつ…帰りも…?
「帰りも…お母さんなの?」
「そこに公衆電話あるだろ、お前と別れてからあれで母さんに電話する予定」
「だった」
「へ?」
「入れて」
「ふぁ!?」
「傘」
「入れて」
マジですか
「でもそれっていわゆる…
「相合…」
「うん」
「あのさ」
「なに?翔…」
「好き」
「あたしも」
こんな普通で純粋な恋愛もありだと思う
「ほいっ」
「わっ!」
翔はあたしから傘を奪ってぽんっと開いた
「ん…」
「え?」
「ああもうっ!入れ!」
「えへへっ…うん!」
雨は止まない
雨は嫌いだけど
私たちを繋いでくれたこの雨は
一生降っててもいいよ
いっそあの雨粒になってみたいな…
「へへっ…」
翔は嫌いな雨なのに、にこにこ笑って傘を持っていてくれた
あなたに微笑んで欲しいだけなんだ
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