目指した光は何だったのか

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 光炎が大きく広がり。  光風と共に私に降りかかり。  光輝ともとれるそれは。  光彩の様に感じた私の。  光景が焼き付いた。    それが私にとっての始まりであり、終わりであった。  国に……世界に……私達の幸せは、壊されたのだから。  私には幼馴染が居た。  近所であり、親同士も仲が良かったため、一緒に成長していった。  それは友情からやがて愛情に変わっていくのは私にはわかった。  彼女のきれいでつやのある髪。  彼女の可愛らしい仕草。  彼女のその優しい心。  彼女の……彼女の……その全てを。  私は愛おしく感じるようになった。  そして。  私は十八になって、彼女に告白をした。  いや……今思えばプロポーズだったかも知れない。 「貴女と一緒の時間を永遠に過ごしたい」  その一言に彼女は頬を赤らめて短く。 「はい」  と、だけ返事をし、私のプロポーズに応えてくれた。  私は飛ぶように嬉しかった。   それから幸せな日々を送れる。  ……そう思っていた。  平和な国だったはずなのに、隣国に宣戦布告をしたのだった。  政治的な事情。国土が少ないこの国は平和であれど、貧しいものであった。  そのため、国が生き残るための苦肉の選択。  そう言われている。  でも、今はそんなことはどうでもいい。  愛しき彼女、愛しき妻とともに私達は、隣国の空襲におびえていた。  二人で幸せになれるはずの未来が、国策と言う名のモノに。  その幸せは、脆くも崩されてしまった。  サイレンが鳴り響く日々。  怯えて暮らす日々。  そんな毎日が続いた。  徐々に精神が擦り切れてゆく日々を。  そして。  そんな緊迫の中、とうとう彼女……妻は気が触れてしまった。  空襲のサイレンが鳴り響く中、シェルターから抜け出してしまった。  私はそんな妻の後を追った。  戦時。  それは、あの可憐だった妻の心まで壊してしまったようだ。  私は必死に妻を追いかける。  そして。  追いつき、妻の手を握った時。  隣国の爆撃機から弾薬が打ち落とされた。  それを見て、妻は冷静さを取り戻す。 「ゴメンね……」 「ううん。約束したじゃないか」 「そう……ね」 『一緒の時間を永遠に過ごしたい』  一緒に私のプロポーズの言葉が口から洩れる。  つないだ手は固く握られる。  この手は絶対に離さない。  たとえ死で私達を別つとしても。  もう一度探して、私はこの温もりを感じたい。  そう願いながら、私と彼女の体は炭へと変わり果てて行ったのだった。
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