一卵性の僕

2/11
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
 朝、学校へ約15分ほど歩いて行き教室へ入ると多くのクラスメイトに話しかけられるのが僕の日常だ。  「おはよう太陽君!昨日のドラマ見たよ!」  「役も良かったし、エンディングの歌もとっても上手だったよ!」  「本当に初めて演技やったとは思わなかったよ!ねぇ次回は・・・」  四方八方からの質問攻めに対応する毎日に、朝から憂鬱に感じてしまう。  まず第一に今僕は月流であり、兄の太陽ではない。  しかし兄と間違えられて三ヶ月も経った今では、学校では兄として生活を送っている。  そして今日も僕は兄、太陽になりきり演じると決めた時から練習してきた営業スマイルでクラスメイトに対応する。  「ありがとうみんな!」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!