一卵性の僕

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 約一年半前、その頃見てたバンドのアニメを見て衝動的に歌いたくなった俺、太陽は両親が仕事でいなく弟の月流がコンビニに買い物へ行っている間、たまたま月が置いて行った携帯に自分の歌声を録音しようとしたことだった。  それまであまり歌う機会がなかったたから、それともアニメを見て感化されたからか歌っていてとても気持ちよかった。  つい熱中して歌っていると、いつの間にか月流が帰って来ていた。  「すごいよ兄さん!すっごい上手だったよ!」  聞かれていた。恥ずかしい。そんな気持ちでとても顔が熱くなった。  「あっ、あのそれは・・・」  「いつも大人しい兄さんがこんな歌がうまかったなんてびっくりだよ!」  恥ずかしかったが、褒められたことは率直に嬉しかった。  「あれそれ俺の携帯じゃん」  「あっ、ごめん。はい」  「ありがどう。あれ、これなんか録画されてる」  しまった、自撮りして歌っていたことを思い出した。  再生して流れてくる自分の声は、自分で聞こえている声とは少し違っていて恥ずかしかった。  「それ、消しておいて」  「えー、すごいんだから色んな人に聞いてもらおうよ!SNSに載せてみるね!」  「えっー⁉︎それは・・・」  「太陽歌いたくなりました!」   「はい、投稿!」  「あーっ!」  そして俺の歌声は瞬く間にネットに拡散されて、投稿した一ヶ月後に月流の携帯にデビューのオファーが来た。
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