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怠け者の主張
私は怠けものだ 布団から出るのも、食事をするのも箸を持つのも億劫だ。
怠けものだが怠けるのも辛い。いや、そうでは無いかもしれない。
「怠けていないで働け。」と家族に言われたりそういう家族の目を感じることが辛いのだ。
私を知らない人は、ならば、そう思うなら働けばいいじゃないかと思うかもしれない。
だが、働くのはもっと辛い。
だから、怠ける。
何もしたくない。
しかし、私全体で見れば怠けものだが、私の体を作る一つ一つの要素のみんなは凄く働き者なのだ。本当に働き者だ。そんなみんなを私は尊敬をしコンプレックスを抱いている。
私は大脳で動きたくないと思い怠けを実践している。しかし、私の細胞や臓器は淡々と休みなく働いている。私は心臓に鼓動を打てと指示をした覚えはないが、私が寝ている間も心臓は休みなく動いている。心臓だけではなく、胃や腸ではご飯を食べれば消化する。怪我をしたときも細胞たちは怪我を治すし、髪の毛も爪も伸ばす。
怠け者の私から見れば淡々と働く細胞たちの行動は信じられない。私が私でないようだ。
そんな私の細胞達を、私は尊敬はするが、細胞達が働いている姿を見るのは大変辛い。
正直そんな働くなんて大変なことは止めて欲しい。
私と一緒にサボって欲しい。
そんなに生き急ぐことはない。
「働け。」と言われて私が家族に叱られているのに…
だから私は家族に言ってやった。
「私全体では怠けているが、私の細胞レベルで私を見てみろ。私の体を作る皆んなは物凄く働き者だ!だから、その集合体である私も一所懸命働いているのだ。私の細胞達に謝れ!」と。
家族には「お前は何訳のわからない事を言っているのだ。」と言われた。
家族は理解してくれなかった。
それを言ってから今まで以上に冷ややかだ。
考えて見れば当たり前の事かもしれない。
私の細胞だけではなく、他の人の細胞も私の細胞と同じように勝手に働いているのだから。
だけど、家族にはこれだけは言っておく。
「私は私の細胞達に働けと指示をしたことも強要をしたことも無ければ、細胞達からされたことも無い。だけど、細胞達は働いている。
だから、あなた達家族も私に『働け』と指示も強要もしないで欲しい。あなた達が私に何も言わなければ私は勝手に働き出す。ほっといてくれ。」
でも、それを言うのも億劫だ、やめおこう。
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