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かつて大地は、魔法の根源ともいえる魔力に溢れていた。有機物も無機物も、全ての根源に魔力が宿っていた。
ある時、一人の人間が生まれた。彼は、常人とは比べ物にならないほどの、魔力を有していた。
人々は彼を神の子として、崇拝し、大きな期待を持って育て上げた。
その期待に応えるように、彼は成長し、強力な魔術師となっていた。魔物を倒し、敵国の兵を倒し、彼は、数々の武勲を上げた。人々からは称賛され、彼の名は世界に知られていた。
しかし、彼の力をよく思わない者もいた。国の上層部は、彼の力がいつか自分達をも飲み込むのではないかと危惧し、彼の抹殺を決意した。
だが、彼は止められなかった。次々と襲いかかる刺客を退け、国家に抗った。
さらに、彼はその力を巧みに駆使し、自分に刺客を差し向けた上層部に手をかけた。
彼と国との戦いは加速していった。国家は遂に、軍を動かし、彼の排除を試みた。結果的に、一人対国家の構図となった、この戦いは長期に渡った。
彼は次々と軍隊を葬ったが、一人の力では限界があった。多くの魔法を使い続けた彼の体は、疲弊していった。
一人の力では限界があると知った彼は、自身にも軍が必要であることを悟った。
彼は身を隠し、仲間を探した。その探索で、彼は各地に眠る凶悪な魔物達を目覚めさせた。
西の山の巨竜、北の海の大魚、東の砂漠の魔人をそれぞれ従えた彼は、その魔物達を使い、各地の魔物を間接的に支配した。
多くの魔物を支配した彼は、行動を開始した。自分を抹殺しようとしていた国に進行し、一瞬で滅ぼし、支配した。
彼の進軍は、止まらなかった。滅ぼした国を拠点とし、隣国への進行を開始した。
各国は、彼に対抗するために協力することを決意した。連合軍となった国と彼との戦いは長期に渡った。
連合軍側は、魔王軍の魔物達に苦戦を強いられ、戦況は魔王側に傾いていた。
やがて、彼は魔を統べる王、魔王と呼ばれ、人々から恐怖された。
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