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「は~い、先生の分を分けてあげますからね」
美人教師はそう言いながらひょうきん者が持って来た皿の上に鶏の唐揚げを二つ置いた。
すると、ひょうきん者は殊更にはしゃいで見せて皆を笑わせてから鶏の唐揚げを然も美味しそうに食べた。そして皆の視線を一身に集めておいて口をもぐもぐさせながら、「なんか知らないけど先生のとっても好い味がする~!」といやらしいことをいやらしく言って、また、皆を笑わせた。
ひょうきん者はそれだけでは収まらなかった。
「先生!」
「なあに?」
「先生は普通、食べ物はよく噛まないと消化に悪いからゆっくり食べましょうねって勧めるものなのに何でこんな企画を思いついたんですか?」
「そうね、確かに私のしていることは早食いを奨励しているようなものだから、あなたがそういう疑問を持つのは尤もなことだわ」
「そうですよね、そう分かっていらっしゃりながら今日の企画を思いついたということは何か特別な理由が有るんでしょうね」
「よくそこに気づいたわね、あなたにしては鋭い指摘だわ」
「うわ~い!先生に褒められちゃった!茂樹感激!」とひょうきん者が喜ぶと、生徒たちは大いに受けて大笑いした。
いくらか騒々しさが収まってから、「で、どんな理由だと思う?」と美人教師が問うと、ひょうきん者は即座に、「えーと、分かりましぇ~ん!」とふざけて教室を爆笑の渦に叩き込んだ。
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