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「大嫌いから格上げでうれしいよ。よかったらついて行こうか?」 「……何で?」 「憂鬱そうだから」 「……憂鬱だね。別れ話が一番憂鬱。オレね、別れたくないって言われるとなかなか振り切れないの。毎回、すごく好きで付き合うから、お願いされると丸め込まれちゃうんだ」 「あー、なるほどね。冷たくなれないんだ。俺みたいに物隠したり悪口言ったりひどいことできないタイプ」  少し上目遣いでフレディーを見つめる瞬平。 「そりゃそうだよ!傷つくじゃん。その気持ちわかるもん。オレだっていっぱい傷ついてきたから……」 「それとこれとは別だよ。別れ話は嫌われても白黒はっきりさせないと、いつまでも引きずることになる、お互いに。振られる方は余計かな。だからはっきり言ってやらないといけない。友達に戻れるなんて思わないことだな」 「それはわかってるけどさ……」  もごもごと口ごもるフレディーは、別れ話をする前にもう勝敗が決まっているように見えた。
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