193人が本棚に入れています
本棚に追加
「大嫌いから格上げでうれしいよ。よかったらついて行こうか?」
「……何で?」
「憂鬱そうだから」
「……憂鬱だね。別れ話が一番憂鬱。オレね、別れたくないって言われるとなかなか振り切れないの。毎回、すごく好きで付き合うから、お願いされると丸め込まれちゃうんだ」
「あー、なるほどね。冷たくなれないんだ。俺みたいに物隠したり悪口言ったりひどいことできないタイプ」
少し上目遣いでフレディーを見つめる瞬平。
「そりゃそうだよ!傷つくじゃん。その気持ちわかるもん。オレだっていっぱい傷ついてきたから……」
「それとこれとは別だよ。別れ話は嫌われても白黒はっきりさせないと、いつまでも引きずることになる、お互いに。振られる方は余計かな。だからはっきり言ってやらないといけない。友達に戻れるなんて思わないことだな」
「それはわかってるけどさ……」
もごもごと口ごもるフレディーは、別れ話をする前にもう勝敗が決まっているように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!