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「やっぱりついて行こうか?」
「ええっ?」
「俺がいた方が断りやすいだろ?この人と付き合いたいから、とか何とか言ったりもできるし」
「それは……」
すぐに否定しようと思ったが、そうでもしないと恋人と別れられない気がして一瞬迷う。
「気をつかわなくていいよ、それくらい。俺は昔もっとひどいことしてたんだし、俺を使って俺に対する恨みを晴らすくらいの気持ちでいいから」
にっと口を大きく横に広げると、頬に深いえくぼが浮かび上がった。悪巧みする小学生みたいないけない顔なのに、どこか惹かれてしまうのはなぜだろう。
車窓の流れる景色に目をやりながら、これは断れない、というより断りたくないぞ?と自分の押しの弱さにフレディーは肩を落とした。
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