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 瞬平は話を続けた。 「優しいからはっきり言わなかっただけで、あんたのことなんかもう全然好きじゃないの。何とも思ってないの。わかる?だいたい、あんたフレッドのこと好きじゃないだろ。本当に好きな人にあんなこと言えるわけないじゃん。好きな人には幸せになってもらいたいものなんだ。何が病院だ、何が自殺だ。脅すようなこと言いやがって!これ以上フレッドを困らすことしたらぶっ飛ばして警察につき出すからな」  店内であることを意識しているのか、怒鳴るわけでもなく低い声で淡々と述べる瞬平。表情は険しいが冷静そのものだった。淡々と述べているだけなのに、胸ぐらを掴まれていると錯覚するくらい喉に圧迫感を感じてフレディーは苦しくなる。自分が悪いことをして怒られているようないたたまれない気持ち。  瞬平はフレディーの腕を掴んで立ち上がらせると、手を柔らかく握って店を出た。フレディーはほんの一瞬振り返って光ちゃんを見たが、すぐに瞬平の背中の方に向きなおった。  すごい勢いだったのに、フレディーを掴む手は優しくて温かくて溜まっていた涙が一気に溢れ出した。街中を手をつないで歩く大柄な男二人はみなにどのように映っただろう。そんなことは考えられないほどフレディーは泣きじゃくった。
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