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「あれ?……警察につき出せるのはストーカーだったかな」
ふと足を止め前を向いたまま、瞬平が独り言のように呟く。
「もう……何でもいいよ」
涙を流しながらフレディーは笑った。
「瞬ちゃんはああ言ってくれたけどね、やっぱりすごく好きだったんだ。中身ももっとちゃんとしてた。オレがああさせちゃったんだ」
瞬平は何も答えない。
「でもね、ありがとう。ちゃんと別れられたよね?もう連絡もこないよね」
「……だろうな。俺、余計なことしたか?」
「ううん、助かったよ!一人じゃ別れられなかった。それに……瞬ちゃんめちゃめちゃかっこよかった」
「……はあ?」
鼻で笑う瞬平。
鼻水をズビズビすすりながら小さな顔いっぱいに微笑むフレディーは、涙の流れたあとが光り輝いて見えた。涙のあとが光って見えただけか、彼自身の笑顔が光って見えたのか、瞬平はフレディーの顔をじっと見つめて答えを探す。
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