2.エクアドルの憤怒

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「あれ、もしかして彼女できた?」 「いや、違うけど」 「友達?」 「うん」 「そっか、じゃあまたの機会に……」  夏希の話の途中でブーブーというスマホの機械音が鳴り響いた。夏希がカバンからスマホを取り出す。 「あ、心愛(ここあ)からだ」  夏希は瞬平にバイバイの手を振ると電話に出た。 「もしもーし、どした?ん?校門に外人のイケメン?」  教室を出ようとしていた瞬平ははたと足を止める。 「めっちゃ背が高い?へぇ~、ロシア?ヨーロッパ系?違うの?白くない。白くなくてイケメンとかレアだね。褐色?アラビア系とか?……そりゃ石油王だろ、あはは……」  肩に何か触れた気がして夏希が振り返る。
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