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「あれ、瀬尾?どした?やっぱり遊びに行く?」
「それ、たぶん俺の友達。これから一緒に遊びに行くやつ」
「えっ?」
眼鏡をかけているわけでもないのに、夏希がメガネザルのような顔で見上げてくるので、瞬平はたまらず声を出して笑った。
結局、瞬平と夏希は肩を並べて教室をあとにする。周囲から見たら仲の良いカップルに見えるかもしれない。二人とも身長が高く、並ぶとバランスが良かった。夏希は好奇心からか、友人たちには先に行ってもらうよう連絡を入れていた。
「あいつ、外国人に見えるけど日本人なんだよ」
「そうなの?」
「うん。生まれも育ちも日本」
「へぇー、じゃあお父さんかお母さんが日本人なんだ」
にっと口角を上げる瞬平。
「いや、両親とも外国人」
「それは……ややこしいなあ」
複雑な表情を浮かべる夏希。
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