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「あいつの性格はもっとややこしいよ」
困ったように笑う瞬平の顔が、今まで見たことないくらいに艶っぽい危うい光を孕んでいて、夏希はドキリとした。
「フレッド!」
校門の方角に向かって瞬平が名前を叫ぶと、壁の花と化し注目の的だったフレディーは、向日葵のような笑顔を向け、胸の辺りで遠慮ぎみに手を振った。
心なしか照れているようだったが、ひらひらと揺れていた手は急に止まり、その視線は瞬平の隣に並ぶ夏希に注がれる。一瞬でフレディーの表情が曇ったのを確認すると、予想通りの反応だと満足しそのまま平静を装うつもりだったが、たまらず吹き出してしまう瞬平。
「何、突然」
事の経緯がわからない夏希は、ただただ不審そうな目を瞬平に向けた。
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