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今さら親しくなってどうするつもりだと訝しむが、無視もできない。無視は存在を否定することになる。否定したい気持ちはあるが、自分がされて嫌だったことはどうしてもできなかった。
「はは、そんな顔するなよ。わかってるって、俺のこと嫌いなんだろ?」
無言で答えるフレディー。
「エクアドルって言い出したの俺だし、そのせいでみんなにエクアドルって呼ばれるようになったもんな。あの後、物とか隠されたり、壊されたりしただろ?」
「……うん」
何が言いたいのだろうと、瞬平の一挙一動を静かに見守る。
「俺も教科書隠したりしたんだ」
(やっぱりか!)
フレディーは表情にこそ出さなかったが、下を向いたまま怒りで瞬平の顔を見るのもためらわれた。
早く電車を降りたい、早く降りたい。何でこんなやつの隣に立ってないといけないのか。一刻も早く降りたいが、途中下車しようかどうか迷う。……降りよう、どうせ次の電車への待ち時間は知れたものだった。
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