やまんばの秘密

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「何て?」 「お前さん、後生だからカリカリと音を立てて食事するのは止めてって」 「なるほど、ついに弱音を吐いたんだな」 「ああ、今まで言えなかった言葉を已むに已まれず暴露したって訳よ。それでさあ、言ってやったんだよ」 「何て?」 「人間の骨は硬いから、どうしたってカリカリ音を立てちゃうよってね。そしたら、やっこさん、これからは肉のように骨まで柔らかく煮込みますってしおらしく言うんだよ。とても柔順だろ、だからほんとに可愛い嫁だなあって思ったよ」 「お、お前、人間食ってるのか?」 「ああ、嫁さんが獲ってくるから」 「お、お前、最強だな」 「ああ、何たって俺はやまんばの秘密を握ってるんだもんね!」
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