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今日も今日とて
大人しくて、真面目。
腰まで伸びたストレートヘア。
運動は苦手。でも裁縫とか細かな作業はとっても上手。
私の親友であり恋人でもある御堂 光(みどう ひかり)は説明するならそんな人。
熱くて一気に激しく燃える太陽を表す【光】と対照的な静かにじりじりと少しずつ燃焼する【光】。闇の中でも決して絶えないと確信するような、むしろ闇で勢いが増すような。
「あの」
「....」
「あ、あのー」
「....」
「も、もしもーし。聞こえてる?」
「!」
「ぼーっとしてどうしたの?」
「ごめん光。ちょっと考え事してた」
少し心配そうに覗きこんできた優しい光の声とは対象的に、射ぬかれると錯覚するほど真っ直ぐにこちらを見つめてくる瞳。
「そっか。体調悪いんじゃないかな、って勝手に思っちゃった」
「よーしよし、光はやさしいなぁ」
わざとらしくおどけてみせ、光の頭を乱雑に撫でてみる。
そうしないと....呑まれてしまう。と思った。
「わっ....も、もうっ。髪ぐしゃぐしゃだよ」
「あっはっは、メンゴメンゴ」
「もー、お返しだー....っなんて」
わしゃわしゃ。
控えめに私の頭を乱してくる光の手が心地いい。ふ、と気が揺るんだ矢先。
ふに。
なにかくちびるにやわらかいものがふれたような?あれ?これってまさかまさかまさか。
「....え」
「ふふっ....奪っちゃった」
ああ。
結局私は。
光の唇の感触に。
一挙手一投足に。
私を魅了してやまない眼光に。
ずっとずっと呑まれて 溺れているんだ
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