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☆4の戦士
いつもオレと一緒に歩いて来たオレの相棒のインクの剣。
いつも一緒だった。
オレたちなら世界を取れると思い冒険を、し続けた。
その街の周りは雑魚しかおらず、つねに楽勝だった。
その付近にはインクの戦士はオレしかいなかった。
無敵だな!
このインクの剣があれば!
そう思いオレは上京した。
世界1を目指して。
上京した先にはそこにはオレ以外にもインクの剣を持つ猛者がたくさんいた。
努力は裏切らない!
そう思いインクの剣を振るい、戦って来た。
新しく上京した先では自分はまだ雑魚だったんだと思い知る!
インクの剣を持ち、戦いにいく!
そして、やめてしまえよ!との敵の呪いのダメージを受け、やられて宿に戻る。
でも大丈夫だった。
ずっと大丈夫だった。
そうその田舎街にインクの剣を持った戦士がオレしかいない時に、こいつと相棒になった時に、おまえと世界に希望を与える戦士になろうなと誓ったからやられても、何度でも翌日には戦えた。
しかし呪いは着実に蓄積されて行っていた。
それはインクの剣に重く、重く変化していきある日オレは遂に呪いの重みにインクの剣を持ち上げられなくなった。
オレは宿屋に真っ黒くなった剣を放置して、戦士を辞めた。
そうさ世界1になるなんて辞めたんだ。
オレは☆4の戦士だった。
レアでもない。
スーパーレアでも無い、普通のガチャで出るような☆4の戦士だった。
どうせ使われない、カンストした所で☆5には敵わない自分のスキルを知った。
カンストするまで、上がって行く瞬間は楽しかった。
無限に上がるんではないかのレベルのワクワク感に心が踊った。
☆5も☆6だって始まりのレベル1の時は同じなんだ。
上に行けば差が開いてくる。
周りが素晴らしいスキルで敵を倒す中、オレは未だにしょぼいスキルで敵にやられる。
それでも仲間がいた。
オレには上京して同士がいた。
みんなが☆5☆6だった。
必死だった。
☆4の自分ではみんなと狩りに行くのが楽しかった。
元気を貰ってまた次の日には戦いに行けた。
しかしオレなんかいないほうが、なんてずっと思っていた。
そんな時、敵に言われる。
おまえだけレベルが違うと。
それは今まで敵の呪いの中で1番強烈な物だった。
敵の呪いだと思っていた呪いは、自分の中から湧いていた不安のエネルギーだったとその時気がついた。
そして、オレの相棒が最後の力を振り絞りオレの不安の呪いを吸って、オレと相棒の剣は同時に倒れた。
起き上がり、宿屋の隣にインクの剣が立てかけてあった。
『今までごめんな。こんな苦しい思いをたくさん吸わせて。』
オレは剣を握った瞬間、今までの苦しみが溢れ出てオレに全て流れて来て、涙が勝手に溢れた。
もう持ち上げる事すら出来なくなってしまったオレは剣を宿屋に置いて宿を後にした。
振り返って剣をみると剣はいつのまにか真っ黒になっていたのに今更気がついた。
オレ達は最高のパートナーで、
オレ達は一生戦士で生きて行くんだと田舎街で剣を笑いながら振るっていたあの頃
剣は輝いていて、こいつとならなんでも倒せるそう思っていた。
そんな剣は真っ黒く凶々しいオーラを発していた。
田舎街でオレの目もこの剣と同じく輝いていた頃自分は☆8の戦士だと思っていた!
オレ世界を救うために生まれてきたんだ。
これがオレの天命なんだと。
しかし今は持ち上げられずに置いてきてしまった相棒。
どれだけの不安をおまえに吸わせたんだろう。
田舎街に歩いて帰る中、オレは腐った。
モンスターは死んだら腐る。
しかしオレはまだ生ているのに腐っていた。
目は死んでいただろう。
帰り道にインクの剣で戦う他のプレイヤーに、頑張れなどと言う思考は全く無く、みんなの剣も呪いの重さに潰れてしまえばいいと思った瞬間、オレは腐っていると感じた。
そんな自分を思いをもし一緒に戦っていた同士達にも思ってしまったら、自分はモンスター以下になると思いひっそり城下街を後にした。
あの城下街
で戦っていた頃からもう何ヶ月も経った。
みんなはまだ頑張っていると言う噂が入って来る。
田舎街で過ごしていると、どうしてもあの楽しくインクの剣で戦っていた記憶がたまに脳裏を走る。
しかし同時に、最後に剣を握ったあの溢れる涙も忘れられないでいた。
いつか、、、
いつか、、、
またいつか、、、
夢破れた人間は必ずそんな事を考える。
いつかがいつ来るか、そんな事わかるわけもない状態でオレはいきなり心臓の痛みで倒れた。
オレはプレイヤーは永遠の命がある訳ではなく、明日が必ず毎日変わらず訪れる訳では無い事を知った。
『迎えに行かなくては、、、。相棒が、、、泣きながら待ってる、、、。1人で泣きながら、、、オレが握るのを待ってる、、、。』
オレはあの剣を持ち上げられるかわからないがまたあの城下街に向かうのであった。
あの時のオレと相棒の輝きと光眩しかった日々と、自分の終わりの時に、あの田舎街で相棒と戦っていた時の笑顔で人生が終われるように。
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