栃木 1 あなたが好きだった

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病院でボンヤリしていると 紙芝居みたいに いろんなことを思い出していた・・・。 いつだったか・・・ 蛇尾川を背景に写真を 撮ってあげた四人家族。 上の子がお嬢さんで下が男の子。 「僕たちも子供連れでも、  ここ、毎年来ようや・・・」 照れ屋で、それから無責任な 約束事などしない亮太が ふいに口にしてくれた将来・・・。 その夜は勉強どころか 眠気も起こらないほど興奮した。 絶対に叶う夢だと確信していた。   ・・・そんな幾つもの甘い記憶に 漂っていたある朝、 母は・・・眼を開けて 私の名を呼んだ。
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