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「私、バスケットボールの部活で
怪我してレギュラーを落ちたことが
あったでしょ?」
娘も母親とのことを思い出したのか
口を開いた。
「『私は要らない存在になったんだ』
ってお母さんに言ったら、
次の日にはここで
『要らない川なんかない!』
お母さんに怒鳴られたわ、ふふふ、
お母さんってめったに
感情的に叱ったりしない分、
説得力があったなあ・・・」
「そうだね・・・
『雨が降ろうと降るまいと』
お母さんの・・・
お母さんの・・・・口癖だったね」
息子が涙もろいのは妻に似ている。
どんなことでも感動したら
素直に表現出来る人間であった妻。
いつかこの河原で
関西訛りの恋人同士に
写真を撮って貰ったときも
『モデルさんみたいに
綺麗な御二人ですね』
と、面と向かって二人を褒めていた。
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