栃木 3 君と僕との物語

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戦況を考えて派手な披露もない、 家族や親しい者だけでの宴。 今みたいに“別居”なんて言葉もない いきなりの両親との四人暮らし。 新婚旅行などもむろんない。 僕が家にいるときに 毎日する散歩が新婚旅行・・・。 二人で大山元帥の墓所への道、 大山参道を歩いた。 あるときは息白い寒い朝、 あるときは弁当持っての昼、 そして野良仕事を終えた夕暮れ・・・。 秋の夕暮れの紅葉の空は 暗い世の中のことなど 忘れたように色艶やかで 僕たちは夜になるまで よく笑い合い、 語り合っていたものだ。
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