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それからの君は・・・
やはりあの“白の喪服”のままに
強く、たくましく日々を生きた。
うららかな春の日も、
日照りの続く夏の日も、
秋木枯らしが訪れても、
真冬の凍てつきが襲っても・・・、
何も変わらず田畑を耕し、
僕の両親を敬い、
朗らかに邦子を育てた。
君と同じ頬の笑窪が
田圃の畔で君に語りかけると
同じ笑窪で微笑み返し、
僕たちの邦子に
無償の愛を注いで暮らした。
僕は・・・
畔の曼珠沙華となり
ただ二人に寄り添うだけ・・・。
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