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「篝火が綺麗」
真下の長良川を指すと
つられて佐久間がそばにきた。
「鵜飼い舟か・・・親父が
聴いてた演歌に、こんな景色が
あったような気がするなあ」
「確かに演歌が似合う夜」
ホテルの窓から眺める
川面の様子は、少し寂しく
幻想的な炎を映していた。
「もう少し呑む?」
佐久間が地酒のグラスを
揺らすのに頷いて
二人で部屋のテーブルに
差し向かいで座った。
「旅行も悪くないなあ、
時間を気にせずにゆっくり、」
言いかけて、佐久間は
言葉を酒に流した・・・。
普段、”ゆっくり“出来ないのは、
佐久間のほうの事情、
彼は妻帯者であるから・・・。
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