岐阜 1 さよなら旅行

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「篝火が綺麗」 真下の長良川を指すと つられて佐久間がそばにきた。 「鵜飼い舟か・・・親父が  聴いてた演歌に、こんな景色が  あったような気がするなあ」 「確かに演歌が似合う夜」 ホテルの窓から眺める 川面の様子は、少し寂しく 幻想的な炎を映していた。 「もう少し呑む?」 佐久間が地酒のグラスを 揺らすのに頷いて 二人で部屋のテーブルに 差し向かいで座った。 「旅行も悪くないなあ、  時間を気にせずにゆっくり、」 言いかけて、佐久間は 言葉を酒に流した・・・。 普段、”ゆっくり“出来ないのは、 佐久間のほうの事情、 彼は妻帯者であるから・・・。  
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