栃木 1 あなたが好きだった

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私の気持ちそのものの快晴の日曜日。 この日のためにオリオン通りで 普段履かないスカートまで買って、 洗車仕立ての車で宇都宮駅へ。 亮太が笑顔で片手をあげて 私の車へ寄ってくる一歩一歩に 速くなっていった胸の鼓動は 今も微かに奥に残っている・・・。 エンジンとともにスピーカーも 鳴り響かせると、 「これ、俺の好きなバンドやん♪」 嬉しい言葉が。 「そうなん?よかったあ!」 初めて聞くふりでいたけれど とうの前から知っていた 彼の好きな音楽をBGM。 前夜、寝ずにコピーしたナンバー。 笑いの絶えない痛快ドライブ。 関東へ来てからは なるべく関西弁は使わないように 気をつけていた私達だけれど 気を許すとつい出てしまう 気持ちが緩やかなになるヒトトキ。 渋滞なく流れる東北自動車道を 矢板インターから 地道へ車をすべらせいくと 那須野が原扇状地が拡がる。 「こんなとこ・・・あったんや・・・」 「綺麗やねぇ・・・」 やわらかな景色が見える道路わきに 停車して・・・ 車にもたれて二人並んで・・・ 春風に抱かれていた・・・。  
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