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一時間ほどして佐久間が戻った、
缶ビールを一袋持って。
「酔いを醒ましに行ったのに?」
クスリと笑うと、
「酔わんと、今夜、やってられん。
最後って言われて『そしたら
タンマリHしましょ♪」なんて
気分になるかいな・・・」
機嫌がよいやら悪いやら
判断出来ない無表情で
勢いよくプシュとビールを開けた。
それから一気に流し込んで
「俺、君を傷付けた?」
下を向いたまま、尋ねてきた。
「ん・・・・・」
「最初に、既婚者であることを
僕は言わなかった。これ、違反。
確かにズルいな。でもあとは
承知で君もやってきたやん?!
君に好きな男が出来たとかなら
”別れる理由“が、解るけど
別にそうではなくて、なんとなく
なんて言われても、僕はまだ
君といたいのに、君が好きなのに。
既婚者が言う台詞やないけど
結婚してようとしてまいと
好き人が出来たら一緒にいたいで
何が悪いねん!!!」
バンと膳にビール缶を置いて
言い切る姿が、
「もう・・・子供やなあ、ふふ」
なんだか可笑しくなって
ついつい笑ってしまった。
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