岐阜 1 さよなら旅行

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一時間ほどして佐久間が戻った、 缶ビールを一袋持って。 「酔いを醒ましに行ったのに?」 クスリと笑うと、 「酔わんと、今夜、やってられん。  最後って言われて『そしたら  タンマリHしましょ♪」なんて  気分になるかいな・・・」 機嫌がよいやら悪いやら 判断出来ない無表情で 勢いよくプシュとビールを開けた。 それから一気に流し込んで 「俺、君を傷付けた?」 下を向いたまま、尋ねてきた。 「ん・・・・・」 「最初に、既婚者であることを  僕は言わなかった。これ、違反。  確かにズルいな。でもあとは  承知で君もやってきたやん?!  君に好きな男が出来たとかなら  ”別れる理由“が、解るけど  別にそうではなくて、なんとなく  なんて言われても、僕はまだ  君といたいのに、君が好きなのに。  既婚者が言う台詞やないけど  結婚してようとしてまいと  好き人が出来たら一緒にいたいで  何が悪いねん!!!」 バンと膳にビール缶を置いて 言い切る姿が、 「もう・・・子供やなあ、ふふ」 なんだか可笑しくなって ついつい笑ってしまった。  
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