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エレベーターで上の階に昇り長い廊下を進むと“業務部”と書かれたプラカードがそこにはあった。
一歩入ると瀬良は瞬時に、営業部とは違った雰囲気を感じ取った
ブラインドが半分閉められたほのぐらいオフィス。
デスクの上には雑然と書類や納品書が積み重ねてある
カタカタとなり続けるタイプ音に臆せず瀬良はすみません!と一声かけた
「なんでしょう?」
そう言って現れたのはどこから見ても平凡そうな背の低い中年の男だった
「営業部の瀬良です。この受注の担当者に話があるんですが」
瀬良がそういうと男は眼鏡を跳ね上げ目を細めると手を前後に動かした
きっと老眼なのだろう
「ああ、宮城ですか。今呼びますね」
男は瀬良に一礼すると資料の山へと入っていった。
そしてその男と入れ替わりで出てきたのはどこかで見覚えのある男だった
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