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----宮城目線----
「営業部の人が君を呼んでるよ」
部長にそう言われると宮城はデスクに積み上げられた資料を倒さないように受付へと進んだ
僕なんかしたっけ…なんかミスしたかな…
営業の人怖いから嫌なんだよなぁ
そう思いながら受付に向かうと、
そこには昨日ドアを開けたサラリーマンが立っていた
目があったその瞬間、昨夜の一部始終がフラッシュバックしてくる
昨日の一気に抜かれた快感とドアが開けられた瞬間のあの焦り
淫らな白濁まみれの自分を見られてしまったと言う自己嫌悪
それらが汗となって全ての毛穴から噴き出す感覚が全身を走る
まさか、同じ会社だったとは…
どうしよう。もう言いふらされてたら
いや、昨日のが僕だって気付いてないかも…
「っは、はい…宮城ですが…」
やっとの思いで出した声は極度の緊張からかうわずってしまった
昨日見たときは気にも留めなかったその男の背の高さに慄く。
宮城よりも10㎝は高いだろうその高さは細身の体に威圧感を持たせていた
「…あっ昨日の」
その男は軽く口から声を出した
えぇえぇえまじかよ…この人覚えてる…
たったあの一瞬なのに!目元しか見てなかったはずなのに、!
冷たい汗が背中をつたって降りていくのがわかる
顔も強張ってうまく表情が作れない
「あれ?知り合いだったの?」
いつの間にか隣にいた部長は興味ありげに宮城の顔を覗き込む
「ああ、この人が昨日…「いえ、知り合いじゃないですよ」」
瀬良が話す言葉を平静を装った宮城が遮った。
何この人…もしかして今言おうとしたの?めっちゃ怖いんだけど…
「ちょっとすみません。ついてきてもらっていいですか?」
宮城はそう言うと瀬良の手首を掴み
禁煙化が進んだ社内で誰も使わなくなった喫煙スペースへと誘い込んだ
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